第2章 物語の始まりはーー
『相変わらずどうでもいい人には鬼畜ね』
「どうでもいい人にはとかサラッと言えちゃう紗耶にだけは言われたくなーい」
今、私の隣りに居るのは、吉井紗耶って言って、私の親友。
一応、私(わたくし)、高津財閥のお嬢様とか言うヤツをやってますが
紗耶はお嬢様とか関係なく私と付き合ってくれる大好きな子です。
『芹佳、今日は家来るでしょ?なら決定ね、パソコンと携帯で夢巡り「まだ何も言ってないよね」
『そんなこと気にしちゃ負けなのよ』
そんな彼女、紗耶に誘い込まれて2年前からハマッてるのが
テニスの王子様って言う漫画。
イケメンがわんさか登場する、一応テニス漫画。
まぁ、お父様とかお母様には漫画にハマッてるなんて内緒だけど。
バレたら隠してる漫画なんて一瞬でポイよポイ、ハハン。
『見たくないの?芹佳の携帯は履歴でバレちゃうでしょ?』
「行かせていただきますとも!で、紗耶はまたべーさまとおっしー探し?」
『いいじゃない!氷帝の二人大好きなんだもん!!そーゆー芹佳こそまた不二とブン太でしょ?』
「とーぜん!周助かっこいーし、ブンちゃん可愛いし!」
『ブン太はわかるけど、不二なんて真っ黒じゃない。まぁ、確かに綺麗でカッコいいけど』
「その真っ黒な所がいいんじゃない」
私がそう言ったら“アンタの好みはわからないわ”、なんて
端正な大人っぽい顔立ちで呆れたように言われてしまった。
…くぅ、紗耶ったら呆れた顔も相変わらず美人さん。
童顔の私にとって、大人っぽい紗耶が羨ましい。
童顔だけは整形でもしない限りどうにもならないからね。
…うーん、やっぱり紗耶の方が私なんかよりもお嬢様っぽい、
女の私から見ても、綺麗で大人っぽいし、落ち着いてて、頭だっていいもん。