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DREAM or REAL【テニスの王子様】

第6章 涙が零れる夢物語の世界



どれくらい、私は屋上で泣いていたんだろう。

気付くと、空は赤く染まっていて、急に屋上の扉が開いた。



『ーーやっと見つけた!』

「…リョ、マ…」



そこには、息を切らしたリョーマが居て。

探してくれたのかも、なんて馬鹿な事を考えた。



『ほら、帰るよ』

「帰る、ってどこによ。…私に帰る所なんてない」

『帰る所がないなら家にくればいいじゃん。母さんと親父には了解も取ってある』



リョーマのその優しさが、私の止まり掛けた涙線を壊して

私は、情けなくもリョーマの前で大泣きしてしまった。





「…私、もう帰れないのかな…」

『…ねぇ、芹佳サン』

「何?」

『アンタ、ココがどこだか分かってる?』

「お風呂場、私もさっき借りたよ?」

『そうだね、お風呂場だよ。俺が入浴中の、ね。アンタはとっくに入ったでしょ』

「うん、知ってる」

『って言うか、アンタにそこに居られるとさすがの俺も出られないんだけど』

「あ、ごめん」

『ああ、何ならもう一回俺と一緒に入る?』

「あ、入る入る」

『うるさいよ、さっさと出てけ』

「誘ったのそっちじゃん」

『…話ならいくらでも聞くから俺の部屋で待ってなよ』



私は体育座りの体勢から立ち上がるとノロノロと部屋に戻る。

そんで、リョーマの部屋で待つこと5分、

彼はタオルを頭に掛けてパジャマ姿で戻って来た。



「…ねぇ、リョーマ」

『何?』

「取り敢えず襲ってもいいかな」

『取り敢えずやめてくれる?』



いや、つい何て言うか本能が活動しまして。



不可解な世界
(それでも、信じたかった)


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