第5章 これが私たちの世界です
「…周助?」
『跡部、今ので終わり?』
『あぁ』
『なら、次は僕の番だね』
周助はにっこりと優しい笑顔を浮かべた後、
その閉じていた瞳を開眼させた、あ、こわい。
『僕、言ったよね』
「なっ、何、を…」
『夜来る時は、必ず連絡入れる事。迎えに行くから一人で外を出歩くな、って』
「…いっ、言われた、気がします」
『言われた気がする、じゃなくて言ったんだよ。そして、君はそれを了承した、忘れたとは言わせない』
「なっ、何なの、よ…景吾も周助も…そんなに怒らなくてもいい、じゃない…」
『ーーちょっ、跡部さんも不二さんも止めて下さいよ!芹佳さんだって反省してるッスよ!』
私の前に飛び出してきた赤也が正面から私を抱き締める。
私も、その彼の服を握りしめて、大粒の涙を零した。
『…切原、もう怒ったりしないから芹佳から離れてくれない?』
『やッス』
私をきつく抱き締めたまま、赤也が首を横に振ると
周助は仕方ないね、と苦笑しながら私の手を取った。
『…ねぇ、芹佳。何かあってからじゃ遅いんだよ?』
「…うん、」
『ただでさえ君は魅力的なんだから、皆君が心配なんだ。それは分かるよね?』
「…ごめっ、ん、なさい…」
ーーここは、すごく温かい場所だった。
暫くして大分落ち着いた私は、
『ココア、飲むだろぃ?』
ブンちゃんのその言葉に小さく首を縦に振った。
そして、出されたココアを一口喉に流し込むと、
その心に浸透する温かさにまた、涙が溢れる。
『で、家で何かあった?』
「…何も、ないよ」
周助の言葉に、私は、手を強く握った。
身分相応の
(分かってる、でも…本当はーー)