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DREAM or REAL【テニスの王子様】

第5章 これが私たちの世界です



私の足は彼らの住むマンションへと向けられていた。

チャイムの音に玄関を開けてくれた周助にそのまま抱き付いた。



『…芹佳?どうしたの、こんな時間に。来る時は迎えに行くって言ったでしょ?』

「えへへ、さっき振り…今日さ、こっちに泊まってもいい?」



一瞬、周助は驚いたような顔をしたけど

私を部屋の中へと招き入れてくれた。



『お、芹佳やん。こない時間にどないしたん?』

「はっははー!びゅーてぃーしっくすの私生活突撃訪問に来たのさっ!」

『何スか、びゅーてぃーしっくす、って』

「ん?麗しい6人『丸井、悪いけどココア一個追加ね』

『あーいよー』

『芹佳はこっちね』



そう言いながら、私の手を引いて大きなソファーに移動する周助。

他の5人は何事か、と視線を私たちに向けた。



「周助?な『跡部、こっち来て』

『あーん?』

『取り敢えず、同じ財閥の息子としてこんな遅い時間に一人でココまで歩いて来た芹佳に一言どうぞ?』

『…一人で、だと?』

「え、あ、うん」

『ーー馬鹿かお前はっ!!』

「ひっ、」



突然の景吾の怒声に私は肩を大きく揺らした。

景吾がこんな風に怒ったのを見たのは初めてだった。



「なっ、何よ突然っ!!」

『お前は有名財閥の一人娘なんじゃねぇのか!?』

「そう、だけど…」

『だったら、こんな時間に一人で外を出歩くのが危険だと分かってるはずだっ!!』

「っ、」

『一人で出歩くなんざ襲われても文句言えねぇ状態なんだぜ!?』



分かってるよ、そんな事。

だけど、どうして私の話も聞かずにそんな風に怒るの。



「…そんなにポンポン怒らなくてもいいじゃ、ない…」

『お前が財閥の一人娘としての危機感を持ってねぇから悪ィ』

「ーーっ!!何なのよ、皆して財閥財閥って!!私だって好きで『うん、芹佳の文句は後で聞くから』



ポンポン、と頭を撫でられて視線を真横にずらした。


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