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DREAM or REAL【テニスの王子様】

第5章 これが私たちの世界です



「ヒールだから痛かった?」

『いや、アイツは軽いからそれほどでもなかった。でも、踊りやすかったぜ』

「あの子、元々運動神経は抜群だからね」



優しい優しい景吾の笑み。



「…景吾ってさ、紗耶の事好きっしょ」

『お前だって不二が好きだろ』

「皆好きだよ。ってか質問に質問で返さないでよ」

『俺も、お前や紗耶が好きだぜ』



ニヤリと楽しそうに笑う景吾を見て、私の口元も自然と上がった。

長いようで、短かった夢の一時はこの音楽で終わりを迎えた。

ダンパから数日が経って、今日は紗耶たちと夜ご飯を食べた。

3日後に誕生日を迎える私への前祝いなんだそうだ。

前日、当日は忙しいだろうと知ってる景吾の配慮だとか。





「ーーただ今帰りました」



そして、少し遅い帰宅をした私を待ち受けていたのは、

顔を怒りに歪めたお父様の姿だった。

お父様がこんな時間に家に居るなんて珍しい。



『芹佳、お前はこんな時間まで何をしてたんだっ!!』

「…ごめん、なさい」

『吉井紗耶とか言う娘か、すぐに縁を切れ』

「え?」

『すぐにその娘と縁を切れ、と言ったんだ』

「…どう言う、意味ですか?」

『あの娘はこの高津家の娘であるお前の友人として相応しくない』

「…紗耶の事を調べたの?」

『娘の友人を調べるのは当たり前だろう?』



ーーーねぇ、お父様。

仕事が大切なのも分かってるし、帰りが遅いのも

帰って来ない日があるのも仕方ない。

物心ついた時からそうだった、ソレを咎めるつもりなんてない。

私は一人娘だし、今後の高津が心配なのも分かる。

近いうちそれなりの家柄の人と結婚するのも覚悟してる。

だけど、だけどねーー、



夢舞う姫君
(ーー夢の一時が、終わりを迎えた。)


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