• テキストサイズ

DREAM or REAL【テニスの王子様】

第5章 これが私たちの世界です



(side*紗耶)

そこには、芹佳ともう一人の女子、そしてーー



『…何で、跡部が代表者の中に居んねん』

『ああ、さっきの呼び出しはコレだったのね』



音楽が鳴り始め、景吾の手が、芹佳の腰に添えられた。

ソレに伴いふわりと舞う、芹佳の真紅のドレス。

その光景は、綺麗で幻想的であたしの心をときめかせた。

曲が終わると、4人は肩の荷が下りたような

やり切って満足したような、そんな笑みを浮かべていた。



「やっほー、皆!」

『さっすが芹佳。腐っても財閥のお嬢様やな』

「腐っても言うな」

『綺麗だったよ、芹佳』

「やーん、周助ったら!」

『マジマジ、すっげー綺麗だったぜぃ?』

「マジでかブンちゃん!すっごい照れるんだけど!景吾はさすがね、完璧だった」

『はっ、当然だろ?…ーー紗耶?どうかしたか?』



髪を軽く上げ、ワックスで固められ、真っ黒な燕尾服、真っ白なタイ。

ソレは跡部景吾、彼にとても良く似合っていた。



『…何でもないわ。とても素敵だったわよ、景吾』

『さんきゅ、紗耶』

『ーーやっぱり、あたしとは住む世界が違うのね』



小さく呟かれた紗耶の声は、拍手と歓声に飲み込まれていった。



《ーー4名の前年度代表者様、お疲れ様でした。それでは、今年度代表者の発表に移ります》



「お、いよいよ発表だにー」

『僕としては芹佳がいいな』

「いやー、ソレはないっしょ」

『そうね、流石に今年も代表者だったらある意味三冠だものね』

『三冠?』

「うん、私実は一昨年も代表者だったから」



《盟星学園、跡部景吾様・不二周助様。高峰学園、高津芹佳様・ーー吉井紗耶様》



あたしの身体が一瞬にして固まるのが分かった。



代表者発表
(ーー……え?ちょっと待って、何かの聞き間違いよね!?)


/ 120ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp