第4章 幸せな日々よ永遠に
『えぇ。久し振りに見ましたからね、芹佳さんのそんな楽しそうな笑顔』
私は、いつだって冷静で居なければいけない。
…まァ、紗耶に出会った時点で冷静さなんて失くしたけどな。
『失礼ね、芹佳に冷静さなんて初めから備わってなかったわよ』
「何度も言ってますが心の声を読むのはやめて下さい」
『注文の方は如何致しますか?』
「あ、イチゴパフェとチョコパフェと…王子たちは何にする?」
ブンちゃんもチョコパフェ、景吾・侑士・国光はコーヒー、周助はレモンティー。
そして、赤也は100%のオレンジジュース(何、この子。一々可愛いんだけど)を注文した。
店長が厨房に戻って行くと一番に口を開いたのは侑士だった。
『…で、何やねん。さっきの王子たち、って』
「ん?君らは私らの王子様だからね」
にっこりと笑うと、正面の赤也に手招きされ
テーブル越しに彼に抱き締められた。
「…赤也?」
『…俺、芹佳さんと紗耶さんの事、精一杯守るッス』
…あー、可愛いなぁ赤也ん、そして、強気な私はどこに行った。
何に感動したんだか涙まで出てきやがったぜ。
『何、泣いてんの?』
「しゅっ、すけ…目からよだれが止まらん」
『お前の目から出てんのはよだれじゃなくて涙だろぃ』
『何か知らんが泣いてんじゃねぇよ』
スルリ、と頬に伸ばされたのは、
景吾の少し骨ばった、細く長い、綺麗な指。
『ダメね、芹佳は。そんな簡単に啼かされちゃって』
「…紗耶サン、変換がオカシイ気がするのは私だけデスカ」
『アンタだけよ』
理由は何であれ、彼らをこの世界に
この場所に呼び寄せてしまったのは紛れもない私たちだ。
だからね、私たちも、君たちがこの世界に居る間は
ーー何があっても、精一杯守るから。
『お待たせ致しました』
店長さんにより運ばれて来た注文の品々に…