第4章 幸せな日々よ永遠に
私は小さくガッツポーズを取ると、気合いを入れて周助の元へ走った。
「ただいま、周助」
『お帰り、芹佳』
「そこのホモ男っ!!私の王子に手を出すとは許せないナリっ!!」
『“ナリ”って何だコラ』
取り敢えず、近場から排除することにしよう。
『芹佳、落ち着いて』
『あのさ、さっきから思ってたんだけど、芹佳って…お前、高津芹佳か?』
…え、こわ、何で顔見ただけで私の名前がわかったの?
「…え、周助の事好きなホモのくせに私のストーカー?」
『誰がストーカーだ』
「違うの?」
『違うわ、むしろ何で合ってると思った』
「だ、だったら何で私の名前を知ってるの」
『自覚ねぇのかよ。…有名なんだよ、お前ら』
いや、有名なんだったら直ぐに気付け。
「……って、有名って何。しかも、お前“ら”?」
『高峰のトップ2アイドルは有名なんだよ。俺は興味ないから直ぐに分からなかったけどな』
あぁ、まぁ興味がなきゃピンとは来ないやな。
・・・ ト ッ プ 2 ア イ ド ル !?
「…とっぷ、つぅ?」
『そ。高津芹佳、お前は1位。んで、校門に居るのは吉井紗耶だろ?彼女は2位』
「何か、紗耶と私との扱いが違くない?」
『だって、お前の反応ムカつくんだもんよ』
「いやいや、私の王子に手を出そうとするアンタが悪い」
『……アイツもこんなのの何処がいいんだか』
「アイツって誰。しかも“こんなの”って何だコラ。取り消せ、今すぐに」
『ぜってぇ、取り消してなんかやるかよ』
やっだ、私、この男と絶対仲良くなんてできないわ。
フッ、と鼻で笑うホモ男に苛立ちが湧いてきた。
危険な誘惑
(ダメね、周助は。自分の事何も分かってないんだから)