第4章 幸せな日々よ永遠に
(act.03‐男のロマン‐)
「…だ、大丈夫?」
『ゆっ、夢!?』
「え、夢って何?」
『…ビッ、クリしたぁー…』
「な、何があったの?」
『いやソレが、突然金縛りにあったと思ったら、大魔王が全力で俺に向かって走って来る、ん…ス…ぎゃーーーっっ!!!』
はい、本日2回目の朝の雄叫び、元気だなぁ。
原因は単純明快。
ソレは、目の前でにっこりと微笑む不二周助が居たから。
『切原、イイ夢は見れたかな?』
夢にまで入り込むとは、さっすが周助。
私が惚れ込んだ男はやっぱり一味も二味も違うわね。
「周助、そろそろ赤也が怯えてるからやめてあげて?」
『仕方ないな。今回は芹佳に免じてコレくらいで許してあげるけど、次はないと思ってね?』
『ははははいいぃっっ!!!』
そう言って、周助は部屋を出て行った。
極上の笑みを浮かべるのも忘れずに。
…その笑顔がよりいっそう赤也を恐怖に導くなんて…
わかっててやってんだろうな、やっぱ。
あぁ、怖い怖い。でも、そんな所も激ラブ。
『…ーーこっ、殺されるかと思った…』
『俺も。間接的に殺(や)られるかと思ったぜぃ』
『っつか!何で助けてくれないんスかっ!!』
『何、赤也は先輩の俺に死ねって?』
『あー、もう!最悪の目覚めッスよ』
「ごめん、私があんた等二人の寝込みを襲おうと思わなければ」
『『いや、それは大歓迎』』
…大歓迎?大歓迎なの?大歓迎なんだ。
何だそっか、そうなんだ…それなら、もう遠慮はしないぞ?
(注:彼女は本能で生きてる人間です)