第3章 未だ信じられない現実
(act.05‐仕方ないじゃない‐)
(side*紗耶)
芹佳とお子様+大魔王がこの場を後にし去った後、
あたし達アダルトチームは休憩所で優雅にお茶を飲んでいた。
『ってか、遊園地に優雅さは要らんやろ』
「あら、侑士。あなたもあたしと大魔王と同じモノが使えるのね」
『いや、めっちゃ声に出してたし。で、気分は落ち着いたんか?』
「…ええ、もう大丈夫。ーーさて、そろそろ行きましょうか、…って景吾?」
『…ウゼェ』
「え?」
『人が多すぎんだよ!』
「は?」
突然のその発言に呆気にとられたあたしと侑士と国光をよそに
景吾は組んでいた足を下ろすと、スタスタと歩き出し、
子供に風船を配っている着ぐるみウサギの胸ぐらに掴みかかった。
「ちょ、景吾、『おい、ココ貸し切りにしろ』
待って景吾、子供が泣いてるじゃないの。
ウサギさんが、「困ります」って震えてるじゃない、
スッゴく怯えたような涙声で訴えてるじゃないの。
「景吾、落ち着いて!」
『こんな人混みで落ち着けるか!』
「…ーー落ち着け、と言っているでしょう?」
『…オーラで人を脅すな。とにかくっ、』
「ふふっ、あなたとは向こうでゆっくり話す必要がありそう、…ねっ」
『ーーぐはぁっ、』
取り敢えずあたしは景吾を殴って気絶させた。
「ごめんなさいね、ウサギさん。ちゃんと教育しときますので、ウサギさんは自分のお仕事を再開して?」
『は、はい…』
「さ、侑士、国光。取り敢えずベンチまで景吾を運んでちょうだい」
『『あ、ああ…』』