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DREAM or REAL【テニスの王子様】

第1章 この出会いに感謝をしたい



『浮かない顔してるし、少し顔色が悪いわ』

「…睦子さん、何で分かっちゃうんですか?」

『だって芹佳ちゃん、何でも顔に出るんですもの』

「…そんなわけないですよ。だって、高津財閥の一人娘には感情なんて要らないんですから」

『ダメよ、子供が感情なくし『睦子さーん。コーヒー豆って何処だっけー』

『…ゴメンね、芹佳ちゃん。ちょっと待っててくれる?』

「あ、はい…」



慌てて店の奥に入っていく睦子さん。

今の…随分、若めの声だったけど新しいバイトの子でも入ったのかな。

そんな事を思いながら紅茶を口に運んだ。

その後、2、3分位して店の奥から出てきたのは



『アレだけ教えたのに…』

『だって仕方ないじゃない、叔母さ『叔母さん、じゃないでしょ』

『はいはい、睦子さん』



睦子さんと、私と同い年くらいの女の子。

綺麗な子、美人と言う言葉が似合うような女の子。

目がバチッと合うとにこっと笑顔になる彼女。



『いらっしゃいませ』

「あ、はい…いらっしゃってます…」



って何言ってんだ私、いらっしゃってます、って何。



『紗耶、この子は高津芹佳ちゃん。ココの可愛い常連サンなのよ』

『初めまして、睦子さんの姪で吉井紗耶です。これからもご贔屓に』



にこりと笑うその笑顔に違和感、…私がそうだから気付いた。

ーーこの子の笑顔は作り笑顔だ。



「…あ、の…睦子さん、私帰ります…」

『え、ちょっ、芹佳ちゃん!?』

「ご馳走様でした…っ、」



私はお金を置いて鞄を掴むと喫茶店を飛び出した。

だって、本能が警報を鳴らすの、“あの子には関わってはダメ”と。

…私に新しい出会いは要らない、だって、煩わしいだけだものーー。



『ちょっと待って、高津さんっ…』



突然、腕を掴まれて引き止められた。

その相手は、さっきの吉井紗耶だった。



有名財閥の一人娘
(別になりたかったわけじゃないのにね)


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