第3章 未だ信じられない現実
「や、だってー。現実にこれだけイイ男が6人も現れたんだよ?」
『ええ、そうね?』
「他人どうこうより、まず私でしょ」
『…あら、俺様』
「まぁねー」
その日一日を平和に過ごした放課後、廊下を凄まじい足音が響き渡った。
バタバタバタッ、ーースパァーンッッ!!
『ちょっと芹佳!!紗耶!?』
「『なぁに?』」
さっきのミーハー酒井が再びご来場。
『なぁに?…じゃないわよ…!アンタ達、あの美形6人とどういう関係なの!?』
「突然何ですの?」
『いいから、質問に答えて!』
私と紗耶は二人で視線を合わせる。
「『…え、私たちの王子様…?』」
『へー。そうなん…って、はあぁぁーーっっ!?』
「うるっさっ!!」
耳元で騒ぐんじゃありませんことよ。
『何ソレ!!どういう意味!?』
「いや、ですからうっさいですわ。私の可愛いお耳が破壊されたらどうしてくれますの」
『『大丈夫。アンタの耳はそんなにヤワじゃない』』
そんなアンタ等、キッパリ即答せんでもええやんけ。
ってか、紗耶、アンタまで。
「ってか、何でそんな事聞くんですの?」
『芹佳と紗耶をお呼びだから』
ん?お呼び出し?誰が、誰を?
「『誰が?』」
『その、美形6人組が、「もっと早く言えよ!!」
『芹佳!行くわよ!!』
「合点でぃっ!!」
『芹佳ー、敬語が崩れてるよー』
私たちは、校門までの道を本気で全力で走った。
辿り着いたそこには…目立つ6人組と、群がる大勢の【悪い虫】、
…ーーこうして遠くから見ると、アレだね。
あの輪に入っていくのは…すっげー、イヤだ。