第3章 未だ信じられない現実
「ねぇねぇ、紗耶ー!」
『何?』
「クラスの子が、アイツらの事噂してたー。何かムカつくよー」
『だから言ったでしょ?マンションに監禁しとけば良い、ってね』
誰かー、真っ黒すぎる紗耶に消毒薬ぶちまけてやってー。
「…嫌な予感がするんだけど」
『あたしも』
周助とブンちゃんに悪い虫がつきませんよーに、
私はそんなことを人知れず密かに祈った。
そして、その日の放課後に私たちを巻き込む事件が起こるのだったーー。
『ねぇねぇ、芹佳、紗耶』
「何ですの?」
『何かしら』
声を掛けて来たのは、ミーハーで有名なクラスメイトの酒井だった。
彼女、酒井は私の本性を知ってる数少ない友達でもある。
『…何て言うか、芹佳の本性知ってると、そのお嬢様しゃべりキモいわ』
「失礼だな、オイ。…学校で本性出して先生とかに知られたら困るんだよ。ですから、慣れて下さる?」
『ははっ、財閥のお嬢様は色々と大変ね』
『で、そんなに慌ててどうしたの?』
『あ、そうそう!隣りの男子校に転校生が入ったって知ってる?しかも6人っ!!みんな美形なんだって!』
美形で当たり前じゃん、だって私と紗耶の王子様だもん。
まぁ、ミーハーな酒井じゃなくても気になるわな美形6人。
「ってか、紗耶ー。女子校嫌ー。噂広まんの早過ぎだよ!アイツら今日転入したばっかじゃん。ってか、男子校にやった意味ないし」
『そうね。…それにしてもビックリよね』
私の耳元でボソボソと話し出す紗耶に抱き付いた。
発見された!
(王子様見つけた、…あ、見つかった!)