第3章 未だ信じられない現実
『芹佳、ヨダレをしまいなさい』
「スミマセン紗耶サン。でもっ…ココの男子達レベル高……っ!!」
『どうし……っ!?』
バ レ ち ゃ っ た よ っ !!
『…美形に睨まれんのも悪くないわね』
「紗耶ーっ!?」
『冗談よ』
いやいや、真顔でしたけど!?
ベー様と侑士、ブンちゃんとしっかり目が合った後、
私と紗耶は何も見なかった事にしてソッ、と視線を外した。
『…そろそろ戻りましょっか。あと5分で昼休みが終わるから』
「マジで!?」
『ええ、マジよ』
「のんびりしてないで撤収ーっ!」
慌てて足早にその場を後にした私と紗耶。
え?何しに来たかって…、そりゃ暇潰しでしょー。
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『『『……』』』
盟星学園と高峰学園をつなぐフェンスへと向かう女子二人。
その二人、芹佳と紗耶の後ろ姿を見ながら跡部、忍足、丸井は溜め息を吐いた。
『…ヤバいなぁ(あの二人の制服姿)』
『…あぁ、やべぇな(他の男がかなり見てたしな)』
『…ヤバすぎるだろぃ(あの二人の魂胆)』
それぞれの思いを胸に、3人は考えることを放棄した。
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同時刻、3Bの教室。
『ねぇ手塚…?』
『何だ?』
『今さっき、芹佳と紗耶がフェンスから出ていく所見えたんだけど…』
『幻覚だ。気にするな』
手塚は不二が見たものをなかったことにした…!
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同時刻、2Aの教室。
『あれ?…芹佳さんと紗耶さん?ははっ、まさかなぁ…』
『赤也、どうした?』
『何でもね、気のせいだったみたい』
赤也は新しくできた友達と、楽しくやっていた。
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