第2章 物語の始まりはーー
そして5分後、ーーピロリン♪とメール受信を告げる音が聞こえた。
『またメールが来たわ』
「今度は何て?」
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返信ありがとうございます。
登録が完了しました事をご報告いたします。
一時間後にキャラをお送り致しますので、楽しみにお待ちください。
では、楽しい生活をお送り下さいませ。
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『一時間後…ねぇ』
「ま、紗耶、待つだけ待ってみよ?」
『そうね』
しかし、1時間半が経過した今、紗耶のパソコンは
ウンともスンとも言う事なく
この静まり返った空間に何ら変化はなかった。
『「……」』
「やっぱり悪戯だったみたいだに?」
『みたいね…あ、芹佳、門限平気?』
「そろそろ帰らなくちゃっ!じゃ、また明日学校でね」
『えぇ、気をつけてね?』
「うん、いざとなったら車呼ぶから平気」
私は紗耶の家を出ると、自宅に向かって歩き出した。
ー♪ー♪♪ー♪ー
その直後、突然ケータイが鳴り響き私は軽く挙動不審。
「び、っくりしたぁー。…紗耶じゃない、もしも【芹佳芹佳芹佳ーーー!!!】
「ーーふぉっ!?」
突然の奇声に、耳からケータイを離したのに、何故だろう。
結構耳から離してるはずなのに
【芹佳っ!?すぐ戻ってきて!!】
とてもよくお聞こえになるのは紗耶の美声でした。
「紗耶、一体何が【いいから、今すぐ戻って来なさいっ!!】
え 、 何 … 強 制 で す か 。
いつも冷静な紗耶が…可笑しいので急遽Uターンです。
私は紗耶の部屋に慌てて駆け込んだ。
…ーーそう、駆け込んだ。
私は、確かに、紗耶の部屋に(しつこい)
だって、おかしいでしょ?
な ん で
紗耶の部屋に私が愛して愛してやまない
周助とブンちゃんがいるんですか?