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DREAM or REAL【テニスの王子様】

第8章 見た夢はあまりに儚くて



(act.02‐後悔しないように‐)


見覚えがあることに当然と言えば当然で、それは、

彼らを、私たちの世界へと導いた、あの

“シンデレラキャンペーン”のメールだったのだ。



「な、んで…侑士の所にこのメールが?」

『その反応は、やっぱり悪戯メールじゃないんやな』

「うん、皆が私たちの世界に来るキッカケになったメールだよ。…紗耶は知ってるの?」

『知っとる。俺と一緒に見とったからな。ついでに言うなら、他の奴らも知っとるで』



私はそっか、と一言だけ呟いてその画面から視線を外した。

帰りたくない、それは確かに本音だけど…

この世界は、私たちが居ていい世界じゃない事も分かってる。

だからか、これが私たちの夢の終わりなのだ、とその時に思った。



『芹佳、』

「景吾、紗耶…」

『お前はどうしたいんだ?』

「…どうしたい、か。景吾は随分と難しい事を簡単に聞くんだね」

『…悪い、きっと俺も焦ってるんだろうな』

「紗耶の答えはもう出てるの?」



紗耶に視線を向けてそう聞けば、紗耶は一度だけ、小さく頷いた。

その手は、しっかりと景吾の手と繋がれてる。

ーー彼女の望みは、きっと景吾の側に居る事。

私の答えも、きっと初めから決まってたのかもしれない。



『もしも、芹佳がこの世界に残りたい、と言うなら俺が何とかしてやる』

「…あははっ、とても心強いね」

『ーー芹佳の答え、もう決まってるんでしょ?』

「うん、決まってる。







ーー帰るよ、自分の世界に」


『だと思ったわ』

「紗耶『…何でッスか!』

「赤也?」


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