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炎柱

第15章 美しいのは





ー…


今日、私はお嫁に行く。


以前から家同士で決まっていた事だ。

相手は、古くから続く剣士の家系で、
私の家の祖父の代から交流があったそうだ。


私の旦那様となるのは、
その家の長男、煉獄杏寿郎さん。


幼い頃に何度か見た事はあるけど、
男の子だからあまり遊んだ事はなかった。

その他は、顔合わせと結納と…

祝言を上げるというのに、
数える程度しかお会いした事がない。

印象が悪いという事もないのだけど、
杏寿郎さんの、目が、少し苦手だ。


お父様譲りの男らしい凛々しい眉。
スッと通った鼻筋。
炎のような色の大きな瞳に、
猫のようなつり目が特徴的なお方。

性格は、責任感が強くて、
とにかく真面目な人だ。

物言いがハッキリしていて、
実に清々しい。



でも、目が…

お話をする時に、
どこを見ているのか分からない。

視線を合わそうとしても
合っている気がしなくて…。

あんまり見ていると、
あの強い瞳に吸い込まれるかのようで…
なんだか、落ち着かなくなるのだ。


結婚は、家同士の事。

それはよく分かっているけど、
杏寿郎さんはどう思っているのだろう。

私を望んで下さっているだろうか。


ー…今更、悩んでもしょうがないけど。


私は、白無垢に身を包み、
杏寿郎さんの居る会場へと向かった。



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