第11章 溺愛
〜〜〜
よ、夜に障りがあってはいけません。
私は朝餉の支度をしますので、
杏寿郎さんは、もう少しお休みください。
っ…?
杏寿郎さん?
は、離して下さいませんか?
ん…?
いや、そうだな、君の言う通りだ。
夜に障りがあってはいけない。
?はい。ですから、まだお休みに…
私が言い終えるよりも早く、
杏寿郎さんの唇が私のソレと重なる。
っ…んっ……
そのまま、
自然な動きで杏寿郎さんに組み敷かれる。
んっ…んぅ……
き、きょ…うじゅろ…さん?
乱れた呼吸を整えながら、
彼の顔を覗き込む。
少し、悪戯っぽい笑みを浮かべ、
耳元で彼がささやくように言った。
…夜に、障りがあると困るのだろう…?
………!!
ち、ちが…!
わ、わたし、そんなつもりじゃ…
照れる事などない!
大胆な美玖も実に愛らしい!
早速、期待に応えてやらねば、な。
だから〜…!!
否定する事すら赦されず、
そのまま杏寿郎さんの口付けに翻弄され、
頭がふわふわとしてくる。
美玖、愛している。
この命尽きるまで。
互いの熱を交換し合い、
互いの境界が分からなくなるまで、
溶け合うかのように、愛し合った。
…私も、杏寿郎を愛してます。
この命尽きるまで、永遠に…。