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炎柱

第10章 継子 続





うむ?…逃げたな。

手応えがなかった…。


鬼は、煉獄の声を聞くやいなや、
一目散に神社から飛び出していた。


…向こうか…!


煉獄は、一瞬にも満たぬ速さで消えた。

正確には走っているのだが、

速すぎて村田の目には消えたように見えた。


高く宙に飛び上がり、
木々の合間に目を凝らす。


…!見つけた!


炎の呼吸 伍ノ型 炎虎 


鬼目掛け、烈火の如き刃を振う。


鬼の頸は、
地に落ち、呆気なく消えていった。


村田は思う。

…俺、来る必要…あった…?


早々に任務が終わり、
帰路につこうとしたその時、


一匹の鴉が向かってきた。


鴉は、器用に言葉を発した


カァー!
マチ二、ジュウニキヅキー!
カゲンノォーシー!

カイキューヒノトー
美玖ガオウセンチュウー

ハシラハーオウエンニムカエェー!
シキュウーオウエンニムカエー!


……!!
十二鬼月…だと…?!


…美玖…!


どうか、間に合ってくれ…!!


俺は、全速力で街へ駆けだしていた。





ー……


それから半刻程、

逸る気持ちが抑えられない。


無事でいるだろうか…!


街へ入ると、まだ、
誰かが鬼と戦っているようだった。

そちらに向かって勢いよく飛んで行く。


……!美玖!!

良かった、無事だ…!
よくぞ、持ち堪えてくれた!!


美玖は、高く飛び上がり、
技を繰り出すと、

見事、鬼の頸を斬った。


鬼の体が、消えていく。


近くに降り立ち、駆け寄って行く。



その時だ。


地に足を着いた途端、
美玖の身体が前方へと倒れた。



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