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炎柱

第10章 継子 続




ー…


季節は冬に入り、

自身の息が白く色付く。


静まりかえった街を

1人歩いていた。



今日は、鬼殺隊へ入って
何度目かの任務に来ている。


この街に、
鬼がいるらしいという情報が入った。


私を含む、数名の隊士が送り込まれていて、

皆でばらけて鬼を探しているところだ。



足音を極力立てないよう、

呼吸を絶やさぬよう、

意識して進んでいく。



ピューロ…ピューーロ…

東の方から、
微かに笛の音がする。


……!

もしや、現れた…?


私、美玖は、
音のする方に向かって走り出した。



私は、当代炎柱、
煉獄杏寿郎さんの継子だ。

今年の春の終わりに、
無事、入隊を果たした。

それから数度、
鬼殺の任務をこなしてきた。


師範による、熱心な指導のお陰もあり、

今日まで、
大きな怪我もなく任務にあたっている。



ー…だんだんと、

笛の音が近づいてくる。


それと同時に、

何やら重たい…

身に纏わり付くような、

妙な気配を肌に感じる。



…っ!

バサバサッ


突如、木から一匹の鴉が飛び立つ。


カァー!
カゲンノォーーーシーー
カゲンノシーー

コノマチニイルノハー
ジュウニキヅキーーー


…!!

鴉は続ける。


ハシラー!
シキュウ、ハシラヲヨブーー!

ソレマデェー
ハシラノトウチャクマデェーー

マチノモノヲマモレェーー


先程からの嫌な気配…

まさか、十二鬼月が居たとは…。


だけど…!
怯むワケにはいかない…!!


柱が来るまで…
私が、食止めてみせる…!


脚に、力を込めて、
全速力で走り続けた。



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