第5章 共に生きる
何か、喋らないと…、何か、、
頭をぐるぐるめぐらしていると、
杏寿郎さんが突然、
私の両肩を掴んで声を発した。
美玖…!
そこで、なんだが、
俺と共に、来てくれないだろうか…!
この屋敷から離れたくないだろうとは思う!
君の家族の思い出が詰まった場所だ。
当然のことだ…。
しかし、俺は、
君に会えなくなるのは我慢ならない!
というか、嫌だ!!
俺は、美玖の事を…
愛している…!!
………!!
突然の杏寿郎さんの告白に、
頭まで真っ赤になってるんじゃないかってくらいに、
顔が熱くなるのがわかった…。
杏寿郎さんが、私の事を…?
緊張が切れたのか、
我慢していた涙が溢れてきてしまう。
!!…何故、泣いているんだ?!
杏寿郎さんが慌てて涙を拭ってくれる。
眉をパタパタさせて、
あわあわしている杏寿郎さん…。
…愛おしい。
涙と一緒に気持ちまで溢れてしまいそうで、
そのまま杏寿郎さんに抱きついた。