第4章 合宿
ピー!
試合が始まった。
誠凛ボールから始って、先制得点をとることは出来たけど、すぐに緑間さんの3pで返された。
凄い…。
やっぱ秀徳は強い。
でも誠凛も負けてない。
みんな、夏休み前より格段とうまくなってる。
リコじゃなくても分かるくらい、動きが良くなってるし、
伊月:「よし!ここ、一本落ち着いて返すぞ!」
さすが俊くん!
いいゲームメイクをしてる…!
でも、火神くんがいない今、緑間さんの3pを止める方法はない。
もはや、無敵のシュートだった。
高尾:「真ちゃん、ナイシュ!」
さっきとはまた違う雰囲気の高尾くん…。
真剣に、だけど生き生きとバスケをしている。
ドキドキ…。
まただ…、
私の鼓動が早くなっている。
不意に私は、さっきの黒子くんの言葉を思い出した。
〜「じゃあ、まゆかさんは高尾くんのことが好きなんですか?」〜
私は、高尾くんのこと好き?なの…?
でも、私が好きなのは俊くんだ。
小学校の時からずっと好き。
一緒にいると楽しかったり緊張したり。
それは私が一番わかっている。
でも高尾くんを見ている時も、同じような気持ちになる。
そっか。
きっと私、高尾くんのことが好きなんだ…。
もちろん俊くんのことも。
だって、2人を見てる時ってすっごいドキドキするんだもん。
好きな人が2人いるなんて、おかしいことなのかもしれない。
でも…、
ピー。
試合が終わった。
いい勝負だったけれど、誠凛は負けた。
ってことは、、、
リコ:「あんたたち、肝試し決定よ^ ^ 合宿最後の夜に決行するから、楽しみにしてて♪」
うわァァァ…。
最悪だ。
肝試しなんて何年ぶりだろう。
中学生の時もやったけど、、、
私こういうの本当に無理だから…。
でも、決まっちゃったんだし仕方ないよね。
そう思いながら、なくならないかなぁなんて密かに願っている自分もいた。