第3章 熱
あぁ、何やってるんだよ、俺…。
日向の相談に乗っている俺は複雑な心境だった。
友達として、日向のことは応援したい。
でも、俺がまゆかのこと好きなのも変えられない事実。
日向がまゆかのどこが可愛いとか言ってる時に、「そうかなぁ。」と、返す俺。
そのたびに胸がチクリと痛んだ。
これだったら、ライバルとして正々堂々と勝負した方がいい。
そう思えた。
…言おう。
ちゃんと日向に伝えるんだ。
どんな状況でも、友達を騙すことだけはしたくなかったから。
その先に、どんな結果が待っていても。
なのに、、、
日向:「俺さ、夏休み中に告ろうと思う。 まぁ、ダメだって分かってるけど。 当たって砕けろだよな‼︎」
完全にタイミングを逃してしまった。
夏休みまで、あと2週間もない。
早くても遅くてもそこがタイムリミット。
その時は今も、刻一刻と近づいていた。