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【魔入間】貴方の背中が好き

第1章 【1年前】


なぜこんなことになったんだろう
入学式に来た私は息の荒いバビルス生徒に胸ぐら掴まれてリボンむしり取られた。
なにこれ??どした???
私の頭には困惑の2文字しかなく、固まって動けなかった。


「ヴヴ………」


足元が浮きそうになるくらい持ち上げられ、
急にドサッと落とされる


『いて、、、入学式早々制服ボロボロにしたとか笑えないからやめてほしいな。』


もはや独り言のような声量であったが、その生徒にははっきり聞こえたようで。
グワッと襲いかかる生徒の爪と牙が鋭く光ったのが見え、ギュッと目をつぶる

しかし、いつまで経っても痛みが来ない
恐る恐る目を開くと
ふわりと白い髪が目の前に流れた
ふと見上げると、私は大きな背中に守られていた


「君は、悪周期の生徒かな?…もう、イライラしても他の悪魔に襲いかかっちゃダメ!分かった?…………って、あれ、居ない。」


キョロキョロと周りと見渡す白髪の悪魔
「悪周期の生徒かな?」って言ってるあたりで走ってどっか行きましたけども………

くるりと白髪の悪魔が振り返ると、ぱちりと目が合い、ずんずんとこっちに近づいてきた


「君は新入生だよね。大丈夫だった?」


ぽんぽんっと頭を撫でられて少し体温が上がるのがわかる
腰が抜けて座り込んだままの私の手を取り、立たせようとしてくれる。が、腰が抜けてるのでそのまま上手く立てず、かなり体重を掛けて凭れてしまう。


『大丈夫って言いたいところですが、恥ずかしながら腰を抜かしてしまいました…』

「そっか、じゃあ医務室に行こっか。」


目線を合わせるようにしゃがんだかと思えば
ふわっと体が宙に浮く感覚。


『え、え?!』

「すぐ着くからちょっとじっとしててね」


突然太ももにギュッと抱きつかれ瞬きした瞬間高い位置にいる。
片腕に乗せられるような形になり、思わずしがみつくと、髪から男性らしい匂いがした。


医務室に着くと、そこにいた教師に引き取られてその白髪の悪魔さんとはお別れした。
医務室の扉を閉める際に手を振ってくれて、
大柄な体とのギャップを感じた。
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