第3章 Chandelier/リーチ兄弟
「因みに、小エビちゃんとアザラシちゃんの衣装はアズールが選んだんだよ。このソックスとスカートの間とか何かアズールの趣味出てそうだよね。」
隣に座ったフロイドが太もものスカートとニーハイの間を優しく指でなぞりながらアズールを挑発する。
「!…ちょっ、フロイド先輩?!」
体を密着させ、太ももを撫でる指に体に微弱な電流が走っだような刺激を感じ、反応してしまう。フロイドはユウとアズールの反応を面白がり笑っていた。
「なっ…失敬な!僕はただ似合うと思って…!」
「おやおや、アズール。図星ですか?顔が茹で蛸の様に赤くなっていますよ。」
フロイドもアズールを挑発する。
「あなた方もそんな顔しないでください!まるで僕が変態みたいじゃないか!」
「違うのか?タコだけに足フェチかと思ったんだゾ。」
夢中で食べていたグリムに突然足フェチと言われアズールは口をワナワナと震わせる。それを見て双子は笑い転げていた。
「でも、デザインは凄く可愛いです!グリムのやつなんか可愛くて壁紙にしちゃいましたもん!ほら!」
精一杯のフォローをしつつスマホを見せると、アズールは満更でもない様子で機嫌を取り戻した。
「見せてー。…アハッ、よく撮れてんじゃん。」
「これはこれは。大変可愛らしいサンタクロースですね。」
ジェイドとはテーブルを挟んでいるとはいえ、睫毛の一本一本が見える距離に近付かれ、思わず顔を反らす。画面を見ていたジェイド、はユウの視線があらぬ方向を向いているのに気付き、喉の奥で笑った。
「先輩達の衣装はアズール先輩が選んだんですか?」
普段よりも近くに感じる二人の距離に動揺しつつ、ずっと気になっていたことを尋ねる。
「えぇ。僕達の衣装はアズールが、アズールの衣装は僕達が選びました。」
「クソダサいセーター探すの超大変だった。」
双子の衣装は二人にとても似合ったものだったのに対し、アズールのものだけ異様なまでに似合わず派手なことに納得がいく。
「よく見つけましたね。」
褒めているとも皮肉ともとれる言葉に二人は喜んでいる。対して、アズールはある程度予想していたのか何の反応も示さなかった。