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【ツイステ】欲は大釜に溶かして煮る

第2章 ◆化粧/ケイト


「トレイ君ってホント、マメだよねー。」
「好きでやっているだけさ。…じゃあ、俺はリドルに呼び出されてるから帰らせてもらうぞ。」
「ん。じゃあねー。」
「ユウもすまんな。今日は手伝えなくて。」
ー“今日は”?
「いえ、お構いなく。…ぁ、今度よろしくお願いしますね。」
「…あぁ。次の休みの日だったな、こちらこそ。」
二人のやり取りに疎外感と違和感を覚える。さらに追討ちをかけるようにトレイは去り際ユウに何か耳打ちをした。それを聞いたユウは顔を赤くし、トレイに怒る素振りを見せた。それは二人の親密さを表していた。

トレイは「付き合ってない」と言っていた。でも、買い物に付き合う仲で、名前を呼んでいる。そして、談話室でのエースとデュースの会話も思い出す。

ーカッコ悪。

ユウは自分のことを好きだと自惚れていたことが恥ずかしい。

「…ぱい、お茶で良いですか?」
「……っ!あ…うん。良いよー。君が入れてくれるの?嬉しー♪」
気付いたらオンボロ寮のキッチンだった。談話室の方からグリムとゴースト達の賑やかな声が聞こえる。買った商品は生物のみ取り出されているところを見ると、ユウが仕舞ったのだろう。湯を沸かしている間に他の商品を仕舞うのを手伝う。
「すみません、買い物手伝わせちゃって。助かりました。」
「へーき平気♪」
努めて明るく対応する。キッチン内は寮だけあって広い。食器類も綺麗に片付けられている。ユウは商品を仕舞い終えると商品棚から二人分のティーカップを取り出す。その隣の棚にはマグカップが4つ置かれている。グリムとユウの物があるのは分るが、他2つは分からない。柄もイマドキ風の物で以前からあったものとは考えにくい。
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