• テキストサイズ

【ツイステ】欲は大釜に溶かして煮る

第2章 ◆化粧/ケイト


メニュー表を眺めていると今日からの新商品が出ていることに気付く。マジカメ映え間違い無しの見た目だが、スイーツなのでどうしたものかと考えたが、隣を見て閃く。
「監督生ちゃんは何にする?これとか可愛いよ。」
ケイトは発売したばかりのスイーツを指差す。
「…それにして欲しいってことですか?そういえば、ケイト先輩甘い物苦手ですもんねー。」
ユウはニヤニヤとケイトの顔を覗き込む。自分の思惑がバレていたことに気まずくなる。
「貸し1ですね。ケイト先輩は何にします?」
誇らしげに言うユウに笑みが溢れる。
「オレは…アイスティーにしよっかな。」
サムに注文し、財布を出そうとするユウを止め、二人分の料金を支払う。
「写真撮らせてももらってもいい?」
「どーぞどーぞ!」
スイーツを片手に写真を撮っていると、ユウが画面を覗き込んでくる。風にのって仄かにシャンプーの香りが鼻をくすぐる。
「写真上手ですねー。」
どこか年寄臭いコメントに思わず笑ってしまう。
「でしょ!ついでだからツーショット撮ろ♪」
スイーツを渡し、肩を抱き寄せるとユウの体が強張る。スマホに映っている顔は赤い。
ーそうそう。これこれ。
赤くなるユウを見て安心する。スイーツの写真をマジカメに上げ、横を見るとユウはスイーツを食べ始めるところだった。
「美味しい?」
「…!はい、美味しいです。…食べます?」
尋ねた後にケイトが甘い物が苦手だと思い出した様子だったが、後の祭りである。
「え〜良いの?じゃあ、あーんで食べさせてほしいかな♪」
「ぇ?!……………ぁ〜ん。」
半分冗談で言った言葉をユウは真に受けスプーンにスイーツを乗せ、ケイトに向けてくる。
「えっ…マジ?」
顔が熱くなるのを感じつつ、口を開けユウの手からスイーツを食べる。
「……あっま。」
口の中全体が砂糖になったような感覚がする。堪えきれずアイスティーを流し込む。自分からけしかけた行動だが、恥ずかしさに隣を見ることが出来ない。元カレ達ともしていたはずの行動が無性に恥ずかしい。
ひと呼吸置いて隣を見るとユウは美味しそうにスイーツを食べていた。
ー間接キスだって気づいてんのかな。
少し涼しくなった風で顔の熱を冷ましながら食べ終わるのを待っていた。
/ 31ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp