第1章 アオい空…*
高校の入学式前日、私は突然見知らぬ世界にトリップをしてしまった。
最初は戸惑っていたが、みんなが優しく接してくれて徐々に馴染んでいった。
バカやって、喧嘩して、毎日がすごく楽しかった…
この世界に来て、たくさんの初めてをもらった気がする。
仲間の絆、侍の魂、自分の道…
そして、人の温もり…
初めて会ったときは、コイツらムカつく!と思ったりもしたっけ。
そんなこんなで半年。
------------別れは突然やって来た。
いつものように鳥の鳴き声で目を覚ますと、そこには懐かしい自室の天井があった。
カレンダーを見ると、トリップをした日付のままだ。
心臓が押し潰されそうに痛い…
夢だったのかと頭をそんな考えが過る。
慌ててベッドから起き上がると、シャラッと首から愛しい人がくれたネックレスが床に落ちた。
それは夢ではないという、何よりも確かなモノで…
私は静かにネックレスを拾うと、あの人の愛しさを包み込むようにぎゅっと両手で握り締めた。
ポタポタと雫がネックレスを濡らす。
そしてもう二度とあの人たちには届かないのだろう寂しさを、天空へと大量の粒と一緒にぶちまけた。
その日は、声が掠れるまで泣き続けた。
張り裂けそうな胸を強く抑えながら。