第1章 茶会での出会い
~三人称~
茶会。
それは織田信長が思いつきで決めたもので、安土のしかも織田家に遣える武将全員とその家族全員を集めて行われた。
「大規模ですよね」
「まぁな。信長様は何も言わないが‥‥何かあるんだろうな」
茶会での不審な動きがないか、挨拶という名目で辺りを見渡す豊臣秀吉と徳川家康。
規模が規模なため不審な動きをする者や間者、刺客が紛れ込んでいるときもある。
「これだけ人が多いと、料理を作っている政宗さんも大変そうですよね」
「そうでもないみたいだぞ?」
二人が歩いていると、後ろから声がした。
勿論二人ともその声の主を知っているため振り替えった。
「そうなのか?光秀」
ニヤニヤと笑っている明智光秀は、指で顎を撫でながら辺りを見渡す。
そして目線を彼らに戻した。
「ああ。あいつは料理をするのが好きだしな、張り切ってやっているぞ」
茶会だが、料理も振る舞っていた。
その料理担当は伊達政宗。
どの調理人より味付けが上手く、信長からも一任されていた。
そして秀吉はある桜の木の下いる女を見つけた。
見た目から姫君。
「どうしたんですが、秀吉さん」
「あっ、いや。何でもない」
(姫君なんていっぱいるだろうに‥‥)
何故かその姫君が気になっていた。
だが今は見回りのためその場にはいけないので後回しにすることにした。
流石に不審な動きをする者はいなかった。
やはり安土城にての茶会なのか下手な動きはしていなかった。
「なぁ秀吉。信長様は何をお考えだと思う?」
「さぁな‥‥」
「ふむ。そういえばここに集まっている姫君達はだいたい固まっているな」
「そうだな」
仲のいい姫君同士で集まっているようだが、先程見た姫君は一人だけ。
仲間外れでもされているのだろうかと思ったが、興味は無かったので秀吉は気にすることはなかった。
あの信長の言葉を聞くまでは。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~秀吉side~
「秀吉様!信長様がお呼びですよ」
暫くすると、三成が呼びにきた。
俺だけかと思ったがどうやら、光秀達もだった。
「分かった、教えてくれてありがとうな」
そして俺達は信長様がいる所へと向かう。
信長様は茶を飲みながら、桜を眺めており俺達が来たことに気づくと器を置く。