第8章 ep.07 様々な種行動
シディ
「…大丈夫か?」
リディア
「……ん、あり…がと…っ」
未だ肩を震わせているリディアの顔を上げさせ背中に添えている片手を彼女の頬に添えると優しく涙を親指で拭う
シディ
「はは、顔くしゃくしゃじゃねーの」
リディア
「だってぇ…」
シディ
「また泣く。…たく、お前は泣き虫だなぁ」
そんな事を言いつつも自分の腕の中で、顔を濡らしながら泣く姿をどうしても愛しいとシディは思い、隠れる額を晒すように前髪を軽くよけるとそこへ唇を落とした
リディア
「へ…っ」
思いもよらなかった行動にリディアは間の抜けた声を吐き出して固まる
シディ
「どーよ、涙止まったろ」
リディア
「あ…」
シディ
「頼って泣いてくれるのは嬉しいけど、出来れば中々会えないんだから笑っててくれよ」
リディア
「……ありがと、シディ」
最初は驚いていたが、彼の言葉にリディアはふわっと笑みを浮かべた。
それを見てシディは、ぎゅうっとリディアを抱き締めた
シディ
「たーく、ほんっと可愛いなぁ!」
リディア
「く、苦しい…!」
抱き締めるシディの背中を、ぽんぽんと叩くリディアは先程まで泣いていたとは思えないくらいの笑顔が浮かんでいた。
吸血鬼の習性としては変だと思っているが、やっぱり何だかんだ優しくて明るいシディをリディアは信用しているようだ
シディ
「なぁ、リディア」
リディア
「ん?」
シディ
「ヒューリは俺の予想だが多分、少しの間は動かない。あいつは言った通り気分屋だからな…でも、ボスとやらの言い付けは必ず守る良い子ちゃんだ」
リディア
「いつ気分が変わって捕まえに来るかが分からない、って事だね」
シディ
「嗚呼、そうだ。…ボスもヒューリに絶対的信頼を寄せてる。が、気分屋なのも当たり前だが理解してる。そいつが来るまではきっと…他の奴が来る。気を付けろ」
真剣にリディアを心配して、シディは自分が知っているだけの情報と長年やっている情報屋として出来る予想をリディアに教える