第8章 ep.07 様々な種行動
それを聞いたリディアはしっかりと頷いた
シディ
「そろそろ時間かな」
リディア
「ん?あ、本当だ」
シディにつられるように立ち上り振り向いたリディアの視界に見えたのはヴィンスだった。
彼が近くまで来るとシディは、にっと笑って
シディ
「何だ、フリントが来ると思ってたがあんたが来たのか」
ヴィンス
「フリントは診察に来たおじさんの長話に付き合わされ中。だから、俺が来たの」
穏やかな笑みを浮かべるヴィンスにリディアはお礼を述べた
シディ
「あ、そうだ。言い忘れてた」
そのシディの声に二人は首を傾げて彼へ視線を向ける
シディ
「リディアが何で必要なのかの質問。あれは本当だけど理由にはなってない」
リディア/ヴィンス
「?」
シディ
「人類滅亡は本当。けど、それに何でリディアが必要か。それを答えるの忘れてた」
ヴィンス
「あぁ…成る程」
シディ
「年齢が高い程、吸血鬼は強く優れてるってのは分かってるよな?」
ヴィンス
「嗚呼」
シディ
「ミィナが産まれた時、母は三桁で父は四桁だった。…けど、リディアが産まれた時は母四桁、父五桁。その二人から産まれたリディアは、より強い血が濃いんだ。吸血鬼にそんな奴はいない。…活性化の薬ってのは強力過ぎて普通の吸血鬼じゃ耐えらんねぇ。だから、リディアが狙われるし必要なんだ」
その事実に二人は驚いたように目を丸くした。
そして、リディアはヒューリが言っていた事に動揺する
リディア
「じゃあ、姉さんで試すのをやめたっていうのは…」
シディ
「その時は珍しかったが、ミィナに妹がいるって分かって…それが血が濃いと分かったら、簡単に信用してくれそうなミィナを利用するだろうな」
あの時ヒューリが言っていた“誰でもそうする”内容をシディが告げると、話を聞いていなくてもそう思うんだ…と理解した。
三人で帰る途中でシディと分かれた。
冷たい風が吹く夜道を二人がゆっくりと歩いていると、ヴィンスが口を開いた
ヴィンス
「ねぇ、リディア。俺ともデートしようか」
リディア
「デート?」
今日の事をデートだと思っていなかったリディアは思わず驚いてヴィンスを見上げる