第8章 ep.07 様々な種行動
リディアが変だと言ったのはきっと吸血の仕方の事だろう、と会話をしている限り普通であるシディにヴィンス達はそう思った。
シディ
「まさか、ただで情報を貰おうなんて思ってないよな?」
ヴィンス
「思っていないさ。金なら払うよ」
シディ
「ばっかだなぁ」
けらけらと肩を揺らして笑うシディをヴィンスは不思議そうに見詰める
シディ
「教えといてやるよ。…リディアがいる時は金も血もいらねーってな」
ヴィンス
「どういう事だい?」
シディ
「俺はリディアの事を好いていてな。彼女を一日貸すのが条件さ」
好意を隠す事もせずにシディは笑った。
ヴィンスが視線をリディアに向けると彼女に驚いた様子はなく、こうなる事を知っていたらしい。
ヴィンス
「リディア」
リディア
「大丈夫、分かってたから。…それに、私は私のためにやるから」
シディ
「おいおい、そんなに嫌なのかよ」
困ったように笑うシディをリディアは見て
リディア
「嫌だよ、シディ変だし。…でも、何度も助けられてるから」
シディ
「相変わらずだなぁ」
ノムがフリントにシディにはいつもこうなのか、と直接嫌だと告げるリディアが珍しくて問うとフリントは頷いた。
シディ
「で?何の情報を知りたいんだ」
シディがヴィンスへ視線を向けると、彼はリディアにお礼を述べてからシディを見た
ヴィンス
「白い髪の吸血鬼を知っているかい?」
シディ
「おう、知ってる。白い髪の吸血鬼なんて一人しかいねぇからな」
ヴィンス
「そうなのか?」
シディ
「嗚呼、俺が知る限りはな」
フリント
「お前がなんてほぼ確定みたいなもんだろ」
シディ
「ははっ、フリントは買い被りすぎだ。俺だって分かんねー事はあるさ」
彼にも分からない事がある、それが気になったフリントは問うように視線をやる
シディ
「勿論、聞かれて分かんなきゃ調査すっから簡単だけど…それでも分かんねぇのは、リディアの心だな」
全員
「……は?」
ふっなんて決めて告げるシディの言葉に全員が、ぽかんと口を開いた。