第8章 ep.07 様々な種行動
リディア
「自分が吸血鬼であるのを晒して商売をしてるの」
ミフウ
「商売?」
リディア
「うん。行為をしながら吸血されたいっていう変わった人を対象にしてね。…お金を持ってるなら誰でも相手するんだって」
リディアが小さく息を吐き出すと、ヴィンスがフリントへ視線を向ける
ヴィンス
「で?フリントは何でその人の事を話に出したんだ?」
フリント
「あぁ…そいつ情報屋なんだ。しかも、かなり情報が早い」
ヴィンス
「そうか、情報屋なら何か知ってるかもしれないからな」
ノム
「けど、リディアは会いたくねぇんだろ?」
ノムがリディアに問うと軽く下を向いた
リディア
「大丈夫だよ。…捕まえようとしてくる人の事、何も知らないなんて嫌だもん。私…その人に会う。だけど…皆に傍に居て欲しい」
不安気に赤い瞳を揺らしながら全員を見るリディアに、思わず胸を高鳴らせる二人は自覚があるが一人は自覚なしに高鳴るそれに首を傾げた。
そんな男性陣を見たミフウは小さく笑いつつもリディアの頭に手を置いて
ミフウ
「勿論、皆で行こう」
リディア
「ありがと…!」
ぱっと花が咲いた笑みを浮かべるリディアに全員の空気が安堵した
─────…
────…
リディア
「いた」
夜になっても人が沢山、行き交い賑わっている広場に入るとリディアが脚を止めるとその人物はいた。
彼女が言った通り、その人物は人に紛れたい吸血鬼であれば隠したい赤い瞳を晒して噴水に腰を掛けていた
全員で近付こうとするよりも先に綺麗なドレスを纏った婦人がその人に寄っていき声を掛ける
?
「嗚呼、勿論。金と血をくれるなら誰でも歓迎だよ」
裕福な婦人
「まぁ…嬉しいわ、では…」
?
「お!……ん?あぁ…良いよ、その宿で!じゃ、俺は忙しいんだ」
そう話を早く切り上げたのは彼がリディアに気付いたからだ。
最後の方には噴水から駆け出していた
リディア
「わっ…!」
?
「リディア!会いたかったぞ。元気にしてたか?」
ヴィンス達は目に入っていないのか、いきなりリディアに抱き着き鼻を首筋に埋める