第6章 ep.05 今度は守るよ
その言葉を最後にミィナは短剣を取り出しヒューリに斬りかかるが、その刃を簡単にヒューリは腕を払って流してしまう
ミィナはすぐに体勢を立て直してヒューリの背後から短剣を振るが、しゃがみこんだ彼には当たらずミィナは脚払いをされて倒れそうになるもバク転をして堪える
リディア
「姉さん…っ」
リディアは助けに行こうにも戸惑いで手が震えてしまって、今の自分では邪魔するだけだと見詰める事しか出来ない
ヒューリ
「本当はさ、お前で試す予定だったんだ」
ミィナ
「は…?」
突然に言葉を吐き出すヒューリにミィナは眉間にシワを刻む
ヒューリ
「けど、お前に妹がいる事が分かった…明らかにお前よりも血が濃い。…だったら、そっちにしようって…誰でも思うよなぁ?」
にやり、と笑みを浮かべてヒューリはミィナを見る。
ミィナは絶望した様に表情を曇らせる。
事情は分からないがミィナにとって残酷な事を言っているというのはリディアでも分かった
ミィナ
「この子に…手は出させないわ…!」
綺麗な顔を歪めてミィナはヒューリに蹴りを繰り出すも、片手で脚を掴まれ投げ飛ばされるが空中で立て直すとそのまま素早い動きでヒューリ斬りかかるも、一切当たらない
リディア
(姉さんが弱いんじゃなくて…この人が…強いんだ)
心臓を狙って刃を突き刺すもヒューリへは届かず、ミィナの首は男に片手で掴まれ持ち上げられてしまう
ヒューリ
「もっと楽しめると思ってたが…そうでもなかったな?」
ミィナ
「くっ…」
彼は死ねと言ったのに、すぐに殺さなかったのはただ自分が楽しみたかっただけなのだとその言葉で理解したリディアは身体の内側が熱くなった
ヒューリ
「やはり、妹には劣るのか?…もう何でも良いな…飽きた」
ヒューリが刃を取り出すと首を掴まれて苦しそうにしているミィナに刺そうとする。
が、それはリディアがさせず慌ててダガーを取り出し首を掴んでいる腕を切る
ヒューリ
「………っ」
ヒューリは意識になかったのか腕が切られ驚き手を離す。
その隙にリディアはミィナを抱えて離れる
ヒューリ
「ほぉ…」
彼は切られた腕の傷が治っていくのを見ながら愉しそうに顔を歪める