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苦しみの [   ]

第5章 ep.04 貴女と居たい




リディア
「姉さんは気にしす─…わぁ…!」


歩きながら話していたリディアが目の前に現れた大きく立派な船を見ると感動したように声をあげた。
豪華客船、とまではいかないが感動するには充分な大きさ


ミフウ
「これは…また、かなり奮発したね船長」

ヴィンス
「ふふん、そうだろう?」

ノム
「でっけぇ…」

ミィナ
「………」


各々がぽかんと口を開きながら言葉を吐き出す中、ミィナは声もなく感動していた


ヴィンス
「さ、乗り込もう」


ヴィンスとノムが先に、ひょいっと乗り込む


ノム
「ほら」

リディア
「ありがと、ノム」


差し出したノムの手をリディアが掴むと支える様に船に乗せる。
そして、リディアは振り返ると今度は彼女がミィナに手を差し出した


リディア
「姉さん、掴まって」

ミィナ
「ありがとう、リディア」


同じ様に掴まるミィナを船に乗せると、今度はミフウにも手を差し出して乗せた


フリント
「はは、流石に俺はいらねぇよ」

リディア
「確かに」


笑いながら身軽に船に乗り込むフリントにリディアは笑って答えた。

そして、改めて船へ視線を向けたヴィンスとフリントを除く四人は目を丸くした。


リディア
「凄い…」

ミフウ
「へぇ…中々だ」


船は綺麗に飾り付けられていて色とりどりの光がぴかぴかと順番に輝き、夜のお陰もありより輝いて見える

感動する四人を見て、ヴィンスとフリントは顔を見合わせて得意気に笑う


ヴィンスが先に乗っていた操縦士に声を掛けると、暗い水を掻き分けて船が動き出した。
季節の寒さと共に海風の冷たさに目を細めながらも初めての経験に全員が心を踊らせた



食事を終えて各々が自由行動をしているが殆どが寒いと言って船内に潜ってしまった。
ミィナも慣れたのか皆と船内で会話をしていている


が、リディアは船内には入らず一人で船上にいて未だに感動しているようだ


リディア
「………」

ヴィンス
「見るのは初めて?」


一人しかいないと思っていたのに後ろから声が聞こえると、リディアは驚きつつも振り向き



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