第5章 ep.04 貴女と居たい
リディア
「思い、出した…あの日、姉さんの事を待っても待っても帰ってこなくて…寒くて、寂しかった…」
ミィナ
「ごめんね…っ。本当に自分勝手で最低だったと思う…ずっとそれを後悔してた。貴女は小さかったから…死んじゃったかもしれないって、不安で…っ」
肩を震わせて泣き出してしまったミィナを見て、リディアは怒るのではなく彼女の手を優しく握った。
すると、ミィナは驚いた様にリディアを見詰めた
リディア
「泣かないで。私あの時…姉さんは私の事を嫌いになったんだって、だから置いてかれたんだって思った。…独りで生きていけるように強くならなきゃって思えた。……でも、嫌われたんじゃなくて良かった」
ミィナ
「リディア…」
リディア
「苦しかったよね。…ずっと私が生きてるかとか逃げちゃったって考えて過ごすの。でも、大丈夫だよ…私はちゃんと生きてる。ありがと…ミィナ姉さん」
リディアは少し悩んでからミィナの名を呼んだ。
彼女の優しさにミィナは更に涙を流してしまった
ミィナ
「ありがとう…ありがとう、リディア。貴女は昔から優しいわね」
フリント
「…優しすぎんのも考えもんだけどな」
リディア
「もお、またそれ?」
フリント
「本当の事だろ?お人好しが」
リディア
「疑うの苦手なんだもん!フリントの仕事でしょ?」
フリント
「ああ?疑うのが俺の仕事だぁ?違……わねぇか」
ミィナ
「……ふっ」
リディア/フリント
「…?」
しんみりした空気だったのに、フリントの一言でいつも通りの言い合いが始まって最初は、ぽかんとしていたミィナだったが気が付けば笑みを溢していた
ミィナ
「リディアには、言い合いが出来るような素敵な仲間が出来たのね」
安心したように嬉しそうにミィナは目を細めて呟いた。
それを聞いたリディアは、頷いてミィナを見詰めた。
もうそこには…ぎこちなさも無くなっていた