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苦しみの [   ]

第4章 ep.03 彼と彼女の話




俺と弟たちが良く行ってた川があって、その日もあいつ等を連れて三人で行ってた。

いつも通りだと思ってた日常は、案外そうでもなくてな…常に危険がまとわりついてたのかも知れねぇ。
分かってたつもりだけど、ふと抜け落ちる事があった

それがその日だ。


男1
『おいおい、子供だけで何してんだ?』

男2
『危ねぇから、俺達が送ってやろーか』


川から三人で帰ってる途中で、俺等みてぇになりの汚い大人が声を掛けてきやがった。
ガキを金に変えようとしてる奴だって…ガキの俺でも分かった


フリント
『見るな…ほら、歩け』

弟/妹
『う、うん…っ』


無視して弟たちの背中を押して去ろうとしたら別の仲間が、また二人…俺等の前に立った


フリント
『退けよ…!』

男3
『おーおー、威勢の良いこった』

フリント
『弟たちに手出すな!』

男4
『磨けばそこそこ良い金になりそうだよなぁ』


俺等を見てきったねぇ笑い方をする奴等から弟たちを守るために必死で抵抗した。
けど、所詮はガキの力だ。敵う筈ねぇ。
俺はボロボロにされて三人、連れて行かれる…
腕を掴まれて引っ張られる弟たちの声を聞きながら思った



『お兄ちゃん!…怖いよ…!』


『やだ!…っ…兄ちゃん…!』


諦めそうになった時だった


リディア
『何してるの?』


俺は腫れて見にくくなった目で声の主を見た。
リディアは…その場に不釣り合いなくらい綺麗だった


男2
『おー?これまた美人が来たもんだ』

男4
『金になる物が増えたな』


その汚い会話にもリディアは表情を変えずにいた。


リディア
『小さい子に随分、手荒な真似をするんだね』

男1
『なっ…吸血鬼…?』


俺を一瞬見みて話すあいつの瞳が、そいつを見た。
その時のリディアは瞳の色なんか変えれなかったからな。赤い目で見られて奴等、一瞬だけびびったんだ。


男3
『吸血鬼でも所詮は女だ!一人だしな』


見下すように言葉を一人が吐き出すと全員でリディアに襲い掛かった


フリント
『危な…っ』


簡単にかわして流れるように拳や蹴りを入れて一瞬で気絶させちまうあいつは、すげぇ強くて格好良かった。
あぁ…俺もあーなりてぇって



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