第4章 ep.03 彼と彼女の話
リディア
「何も入れてる様子はないのに…」
ミフウ
「いや…あれだけ継ぎ接ぎだらけなんだ、何をしててもおかしくないよ」
リディア
「何だろ……っミフウ!」
ミフウ
「……っ」
硬い理由は何か、それを探っている最中ミフウに向かってナイフが飛んできて、それに気が付いたリディアが彼女を庇い右腕を負傷する
ミフウ
「リディア…!」
リディア
「大丈夫、ただの掠り傷。…一つ私に提案があるんだけど」
ドド
「ふむ…もう終わりかい?」
気配が無くなり真っ暗な辺りへ視線を這わせながらドドが面白くなさそうに呟く。
ミフウ
「誰が終わりなんて言った?」
そこへ笑みを浮かべながらミフウが姿を現した。
彼女が聞こえず見えもしないドドの言葉が分かったのは、恐らく心を読んだのだろう
ドド
「そうか、良かった。…ところでもう一人はどうした」
ミフウ
「さぁ?」
リディア
「……ここだよ!」
ドド
「ぐっ…!」
突然ドドの背後から飛んできたリディアがダガーをドドの背中に振るうと彼女は、初めて苦痛に表情を歪めた
リディア
「やっぱり…!」
ドド
「くそ…っ」
ミフウ
「あたしを無視すんじゃないよ!」
リディアに攻撃をしようと背を向けたドドに、ミフウは笑みながら膝裏を斬りつける
ドド
「あぁ…っ」
先程までの余裕は無くなりドドは悲鳴をあげる。
背中と膝裏を負傷したドドはその場に膝をついてしまう
ミフウ
「前だけ硬め様なんて、案外どんくさいんだね」
ドド
「……っ…」
リディア
「その硬いのがどうやってやってるのかは分からない。でも、もしかしたら後ろはやってないんじゃないかって……賭けだったけど当たって良かった」
そう告げてからリディアはダガーを構える。
ドドの動きは元々、機敏ではない。それに加えて負傷したのを見てとどめをさすなら此処だと思った
リディア
「長引かせたくないの…早く、フリントを戻したいから…!」
飛び掛かってくるリディアをかわそうと腕を伸ばすも、それを無視して彼女の刃はドドの心臓へ姿を消した
ドドは潰された様な悲鳴をあげて長い長い人生を終えた