第3章 ep.02 他と違う存在
オレが5歳の時に妹と両親で別荘に泊まった夜の事。
2つ年の離れた妹とオレは二階で寝てた時に一階で物音がして、オレが目を覚ますと両親の悲鳴が聞こえてきた。
慌てて様子を見に行こうとベッドから身体を起こしたが、階段を上ってくる音がしてすぐにそれが両親じゃねー事に気付いた。
だからオレは、妹を起こして隠れ様とした
ノム
『起き……っ!』
駄目だった。妹が起きなくて…最後の段差を越えた足音がしてオレは…オレは妹をベッドに残して、一人でクロゼットに隠れたんだ。
その後すぐにその足音の存在が部屋に入ってきて
妹
『ひっ……ぁ…!』
あいつが目を覚ましたのは、そいつ…吸血鬼に持ち上げられた時だった。
抵抗する間も…悲鳴をあげる間もないまま、目の前で…妹は吸血されて死んだんだ
クロゼットに隠れてたオレの事は気付かなかったのか、腹がいっぱいだったのかは知らねぇ…けど、オレは…オレだけが助かった
オレが…妹を殺したんだ…っ。
それからオレは、吸血鬼を恨んで強くなって世の中にいる吸血鬼、全てを殺そうと決意した
特訓を始めて二年が経った頃。オレが7歳の時、吸血鬼に狙われても勝てると自信満々だった
ノム
『へっ…吸血鬼ごときにオレは負けねぇよ…!』
吸血鬼
『威勢の良いガキだなぁ』
けど、オレの持っていたナイフは吸血鬼を傷付けるどころか届きゃしなかった。
調子に乗ってたんだ…そう思った時には、ボロボロで動く事すら出来なかった
これは罰だ…妹を見捨てた罰なんだって、死を覚悟した
ヴィンス
『君、大丈夫?』
ノム
『……っ』
吸血鬼
『おい…邪魔すんなよ』
そこに、今より10歳若い頃のヴィンスが立ってた
ヴィンス
『助けてあげようか。それとも必要ない?』
ノム
『助…っ……助けて!死にたくない…!』
生きて良いか悩んだよ。
けど、オレは死にたくなかった…。
オレの言葉を聞いたヴィンスは、笑って
ヴィンス
『任せて』
吸血鬼
『ぐだぐだうるせ…っぎゃああ─!』
一瞬だった。
オレをボロボロにした吸血鬼は、ヴィンスの首と心臓への攻撃に聞いた事もない声をあげて…灰になった