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苦しみの [   ]

第3章 ep.02 他と違う存在




リディア
「私は死にたいのに?」

ヴィンス
「んー…。じゃあ、こうしよう」

リディア
「?」

ヴィンス
「君の命を俺に頂戴。…君の命が俺の物になったら、君の意思でどうこうしていい代物じゃなくなる」


ヴィンスの提案にリディアを除く三人は驚いたような視線を向ける。
だが、緑の瞳を細めて笑むヴィンスは本気なようで迷いがない。
それを見たフリントは、理解し悔しそうにした


フリント
(こいつ…これを言うために身を守れなんておかしな事を言い出しやがったな…くそっ)




リディア
「なる…ほど?」


考えるようにしていたリディアは首を傾げながら納得(?)したような言葉を吐いたのでヴィンスは念を押すように


ヴィンス
「良いね?」

リディア
「………分かった」


それを見るとヴィンスは満足したように頷き。
さて、と呟くが全員ついていけていない


ヴィンス
「この話はおしまいだ。仕事の話をしよう」


仕方なく頭と気持ちを話の方に向けるようにヴィンスを見る


フリント
「仕事?」

ヴィンス
「嗚呼。俺達は依頼を受けて吸血鬼退治の仕事もしててね」

フリント
「は?前に吸血鬼を助けるためにとか何とか言ってなかったか?」

ヴィンス
「うん、言ったよ。…でも、助けようと研究するためには被検体が必要だろう?」

フリント
「…………」

ヴィンス
「未来の為に犠牲は必要なんだよ」


フリントとリディアは彼の言葉に戸惑いを見せたものの、実際にその犠牲があったからこそ瞳の色を変えたり吸血衝動を抑えられたり出来る薬があり…リディア自身も助けられた部分があるので否定する気にはなれなかった

そんな二人を気にせずヴィンスは話を続ける


ヴィンス
「ドドの森は知っているだろ?」

リディア
「うん。凄く広くてあまり奥には入っちゃいけないってゆう森だよね」

ヴィンス
「そう。…昔、変人研究者のドドって奴がそこで暮らしていて彼女の名前がついたんだけど…その変人が生きてるかもしれない、らしい」

ノム
「は?何の情報だよそれ」

ヴィンス
「なんでも最近その森で石になる人が多いんだって」

リディア
「石…?」

ヴィンス
「依頼主はそう言ってた。…まぁ、行ってみない事には何も分からない」



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