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苦しみの [   ]

第3章 ep.02 他と違う存在




──研究部屋



ヴィンス
「え、衝動が来た?」

フリント
「嗚呼」

ヴィンス
「まさか、こんなに早いなんてね」


フリントが呼ばれた理由はリディアの抑制薬を受け取りに来いとの事だった。
そのついでにリディアの様子をフリントが話すと、ヴィンスは持っていたパズルのピースを落とした


フリント
「薬飲んで、まだ三日しか経ってねぇぞ。一週間は持つんだろ?」

ヴィンス
「基本的にはね。…他の吸血鬼とは違うと理解していたけど、まさかそこまで効かないとは」

フリント
「何とかなんねぇのか」

ヴィンス
「…んー…彼女用に改良しなくちゃいけないね」


顎を摘まみながらヴィンスは呟いた。


ヴィンス
「まぁ、でも飲まないよりはましだ。これ持って行って」

フリント
「分かった」


小袋を受け取るとフリントは研究部屋を後しにて、部屋に戻ろうとする途中でミフウに会った


ミフウ
「今日の夕飯からリディアも同席するように言って」

フリント
「何でだよ」


あの日からリディアは、ノムに内緒でご飯を作っては部屋に戻って一人で食事をする。フリントが一緒に食べ様としても彼女が断るのはきっと彼が皆と会話出来ないのは駄目だから…と彼は思っている
ノムに言った通り共に食事をとる事はなかった


ミフウ
「何でだろうね。…来りゃ分かるよ」


フリントは理解できないと表情を貼り付けつつも頷いた



─────…
────…



フリント
「成る程な」

ミフウ
「な?」


夕飯の時間。
フリントは納得し、ミフウは得意気に笑った。


ノム
「…何だよ」

フリント/ミフウ
「いや?」


食べ物を口に運んでいたノムが二人の視線に不満そうな声をあげた。
二人がニヤニヤしながら声を揃えて首を振るのを見ればノムはそっぽを向いてしまう

リディアは本当に自分が此処に居ても良いのか不安な様で、ちらちらとノムを見ている


ミフウ
「大丈夫だよ、リディア」

リディア
「う、うん…」


ミフウが声を掛けると赤い瞳を泳がせながらも返事をした。


ヴィンス
「リディア、前に俺が気になった事があったらまた聞くって言ったの覚えてる?」

リディア
「え?あ、うん…覚えてる」


黙々と食事をしていたヴィンスが不意に口を開く



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