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苦しみの [   ]

第13章 ep.12 通じ合った心




ミフウ
「リディア…!」


拠点に着いたという安心感からリディアの身体から力が抜けて崩れ落ちてしまう。
共に拠点に来たシディがリディアを抱き上げると、ミフウに案内されて医務室に入る

医務室のベッドで寝転がっていたノムとフリントはリディアの姿に目を丸くする


ミフウ
「リディア…大丈夫かい?」

リディア
「大丈夫だよ。…ナイフ抜くんだよね」

ミフウ
「嗚呼。少しの辛抱だよ」

リディア
「痛いのなんか平気だよ」


息を荒くしながらも笑うリディアをその場にいる全員が見守り、先程の音でヴィンスも医務室に駆け付ける


リディア
「……っ…!」

ミフウ
「次で最後だ」

リディア
「…く……っ」

ミフウ
「これで全部」

シディ
「頑張ったな、リディア」

リディア
「ありがと、シディ…助けてくれて」


リディアの身体に刺さっていた五本のナイフを眺めながらヴィンスは奥歯を噛む。


シディ
「リディア、あんまり無茶するな。守りたい気持ちは分かるけど」

リディア
「ん…でも、皆が怪我するの見たくない。シディ…沢山、助けてくれてありがと」

シディ
「惚れてる奴、助けるのは当たり前だろ。…例え他人の恋人になったとしてもな?」


そう笑ってヴィンスをシディが見ると、驚いたように目を丸くする


ヴィンス
「何だ…もう知ってるのかい?」

シディ
「お、やっぱ当たりか!」

全員
「は…?」

シディ
「いや、ただの勘。くっそー、やられたなぁ。…ヴィンス、リディアを泣かせたらぶっ殺すからな」


ヴィンスは聞き覚えのある言葉に、自分の周りには物騒な事を言う存在しかいないんだと小さく息を吐き出した

その後、シディが帰ろうとしたので何があるか分からないと思ったリディアが、それを止め泊まるように告げた。
シディはそれに従い翌朝、拠点から出ていった



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