第13章 ep.12 通じ合った心
ミフウ
「んじゃ、行ってくるよ」
数日後、ミフウは外に治療で使う物を調達するために外出しようとドアノブを掴む
リディア
「やっぱり駄目。私も行く!」
ミフウ
「ええ?大丈夫だってば」
リディア
「駄目ったら駄目!」
ミフウ
「ったく、分かったよ。ほら、一緒に行こう」
リディア
「ありがと!」
リディアが狙われている筈なのに彼等が怪我したのが自分のせいではないかと考えているリディアは、一人で出掛けようとするミフウを必死に止めた
ミフウ
「おし…帰ろうか」
リディア
「うん。少し早歩きで帰ろ?」
ミフウ
「だね」
真っ暗とまではいかないが暗くなった辺りを見ながらリディアはミフウへ声を掛け、二人はいつもより歩く速度を上げて帰る事にした
リディア
「……っ!」
ミフウ
「リディア!」
暫く他愛ない会話をしながら歩いていると、何かに気が付いたリディアがミフウを守るように腕を伸ばすと彼女の右二の腕にナイフが刺さっていた
ミフウ
「リディア…大丈夫かい!」
リディア
「大丈夫だよ。…ミフウは絶対に私が守るから」
そして、またキラリとしたナイフが飛んでくるとリディアはそれを蹴って弾く。
飛んでくる度にリディアは蹴ったりしてミフウに当たらないようにするも、交わしきれなかった物はリディアの手脚に刺さり白い肌を赤く染める
ミフウは上がるリディアの息と増えるナイフに焦りが出る。
守られているだけで良いのかと…また飛んできたナイフをミフウは自分で弾こうとすると、高い音をたててナイフは地面に落ちる
シディ
「大丈夫か、リディア」
リディア
「シディ…」
シディ
「ったく、また無茶して。…俺がナイフを弾いてやるから拠点まで頑張って走れ!」
リディア
「ごめん。…ミフウ行こっ」
ミフウ
「嗚呼…!」
リディアは痛みに耐えながらもミフウと走り、何とか拠点に到着する。