第13章 ep.12 通じ合った心
ミフウ
「あーぁ、御愁傷様だねフリント」
リディア
「え、熱?」
ミフウ
「あー、あんたは気にしなくて良いから。…ま、おめでと」
リディア
「ありがと」
そして、ミフウはヴィンスへ視線を向けると鳩尾に拳をのめり込ませ
ヴィンス
「う゛っ!?…おい、何すんの…っ」
リディア
「ヴィンス!?」
ミフウ
「リディアを泣かせんじゃないよ。もし泣かせたら…フリントとノム連れて、あんたをぶっ殺す」
ヴィンス
「おっかねぇ…」
咳き込んで蹲っているヴィンスを見下ろしながらミフウが告げると、苦しさで涙目になりながらヴィンスが溢す
ノム
「あぁ…そう、だな……ぶっ殺す」
リディア
「へ…?」
掠れた絞り出すようなノムの声が聞こえて皆が顔をそちらに向けると、しっかりと全員の方を見ながら僅かに笑っているノムがいた
リディア
「ノム…!」
ヴィンス
「目が覚めて言うの…それかよ」
リディア
「良かった!」
ノム
「おわっ……ちょ、何だよ…」
ぼーっとしていたノムが話した事が嬉しくてリディアは思わずノムに抱き付く
ノムは照れたようにしたが、優しく笑って弱々しく片腕をリディアの背中に回す
ヴィンス
「…リディアは優しくて仲間思いの子だからね、うん。俺は気にしてない」
ミフウ
「あーそんな簡単に抱き付いちゃって」
ヴィンス
「ちょっと!心読まないでくれる!?」
心を読まれて頬を染めながら声を荒らげるヴィンスが珍しくて全員が笑っていた