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苦しみの [   ]

第13章 ep.12 通じ合った心




リディア
「……ノム!」

ノム
「………」


朝からノムの様子を見ていたリディアは瞼が震えゆっくりと開かれていくのを見て思わず、大きな声が出る。
だがノムはまだ、ぼんやりとしているようで視線が定まっていない

コーヒーを飲むためにリビングに戻っていたミフウを呼ぼうと医務室の扉を開いて声をあげる


リディア
「ミフウ!ノムが目を覚ましたの!」


リビングにまで通る声で聞こえてきた言葉にミフウが少ししてから医務室まで来る


ミフウ
「ったく、呼びに来なっての」

リディア
「ごめん、嬉しくて」

ミフウ
「はいはい。…ノム、分かるかい?」

ノム
「………」


ベッドに寝ているノムを見ながらミフウが声を掛けるが、ノムは全く反応をしない


ミフウ
「…まだ痺れとか怠さが残ってるのかもね。暫くはこのままだと思うよ」

リディア
「…そっか」

フリント
「なぁ、お前うるせぇよ」

リディア
「フリントはぴんぴんしてるね」

フリント
「あぁ?良い事じゃねーか」

リディア
「そおだね、動かなくて良い子ですね」


ノムの隣のベッドで眠っていたフリントがリディアの声で目が覚めると文句を垂れる。


ヴィンス
「おはよう、皆。…ノムが目、覚めたって?」

ミフウ
「嗚呼。けど、まだはっきりとはしてない」

リディア
「フリントは起きてすぐ元気」

フリント
「おい、馬鹿にしてんのか」

リディア
「何ともなくて嬉しいって意味でーす」

ヴィンス
「はーい、ストップ。リディア、昨日から俺の恋人になったの…俺の前でイチャイチャしないで?」


いつも通りに仲の良い言い合いをする二人の間を割って入ったヴィンスはリディアの肩に腕を回しながら告げる。
一瞬、言葉を理解できなかった一同だったが…すぐに大きな声で驚いた


フリント
「ばっ…嘘だろ!?」

ヴィンス
「嘘じゃないよ。ね、リディア」


覗き込んで問い掛けられるとさっきまで威勢が良かったリディアは急に俯き。
だが、頬を染めつつも頷いた


フリント
「あー…無理。熱出てきた」



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