第12章 ep.11 潜入と不安材
リディア
「ありがと…!」
ヴィンス
「けど、髪を誤魔化すものなんてないからその長い髪は縛ろう」
リディア
「フリントとお揃いだね」
参加する事を許されて嬉しくなったリディアの表情は柔らかく、鎖骨までの紺髪を一つで束ねているフリントへ笑いかける
フリント
「はは、そうだな」
ヴィンス
「ミフウは…その長さのままで大丈夫そうだね」
ミフウ
「縛るとこなんかありゃしないな」
顎までの長さの外が黒、内が黄色の髪を触りながらミフウが笑う
ヴィンス
「それから君達、二人には基本的に声を出さなくても良い所に行ってもらう。流石に声だすとバレちゃうからね。…それから、リディア」
リディア
「ん?」
ヴィンス
「その日は瞳の色をかえないでくれ」
リディア
「そっちの方が信用されやすい?」
ヴィンス
「嗚呼。だから、君とミフウとフリントは子供を助ける役にしよう。ノムと俺は見張り兼バレない程度の数減らし」
ノム
「分かった」
ヴィンス
「洋服は用意してあるから当日に渡すよ」
それぞれに理解をするとしっかりと頷いて見せた
──潜入当日
ミフウ
「よし、取り敢えず胸を潰す事から始めようか」
リディア
「痛そう…」
ミフウ
「大丈夫、大丈夫」
──30分後
リディアとミフウの胸からは膨らみがなくなっており、ヴィンスからもらった綺麗なタキシードを身に纏いリディアは腰より少し長い銀髪を一つに束ねた
リビングの扉を開けると同じタキシードに身を包んでいる三人の姿がありリディア達は驚いた
リディア
「凄い、普段と雰囲気が違う…フリントは髪結わなかったの?」
フリント
「嗚呼。こっちの方が良いってヴィンスが」
リディア
「へぇ…格好良いね」
普段は結んでいる鎖骨までの髪は解かれた状態でフリントは慣れないようだったが、リディアに褒められれば緩みそうになる頬を何とか抑えた