第10章 ep.09 不気味ワルツ
リディア
「ノム、シディ…良かった…!」
二人へ思い切り抱き付くと彼等は片腕ずつでリディアの華奢な身体を受け止める
ノム
「これ…リディアのコートじゃねぇか」
シディ
「身体、冷え過ぎ。風邪引いちまうだろ」
リディア
「私は大丈夫。…二人が目覚ましたから暖かいもん!本当に良かった…」
涙で潤む瞳を見れば本当に心配していたのが分かり、二人はすっかり冷えきっているリディアの背中を暖めるように撫でた
ノム
「勧誘、ね」
リディア
「うん…あの人は姉さんが言ってた通り、怖い」
シディ
「リディアの方から来る、ってのが気になるなぁ…より一層、気を付けた方が良いだろーな。リディアを捕まえる手も休めないとなると何をして来るか予想が出来ねぇ」
ノム
「だな。…リディア、大丈夫か?」
リディア
「大丈夫だよ」
リディアがモーリスに言われた事を二人と共有してから、シディと分かれた。
帰り道を二人で歩いていると拠点にいる筈のフリントの姿があり、二人は脚を止める
リディア
「フリント…?」
フリント
「いた…!」
その声に反応するように走ってきたミフウにリディアは強く抱き締められる。
ミフウ
「良かった…怪我はないかい?」
リディア
「ん、ないよ。…心配かけちゃってごめんね」
フリント
「心配なんて俺等が勝手にした事だ。…無事で良かった」
ヴィンス
「本当にね。ノムも怪我はないか?」
ノム
「ねーよ、ありがとな」
三人の気持ちにリディアとノムは暖かい気持ちになった。
そして、拠点へ帰る最中に今日あった事を三人に全て話すとやはり、確実な対策が無いため今よりも注意しようという事になった