第10章 ep.09 不気味ワルツ
ノム
「おー本当の事を言われて腹立ったか?わりぃな。…リディア、手加減したら許さねーからな」
リディア
「捕らえようとしてる人達に手加減するわけないよ」
ノム
「なら良い」
二人が笑うのと同時に男達は一斉に襲い掛かる
男1
「くっ…」
男2
「…っ、くそ…!」
リディアはナイフを振り落としてきた片方の男をダガーで受け止め、もう片方の男の手首を掴み
リディア
「ふっ…!」
男1
「ぐぁ…っ」
男3
「あっ…!」
手首を掴んだまま、細腕のどこにそんな力があったのか男を引き寄せて横から迫ってきていた男にぶつけると、二人が同時に倒れる
男2
「なんっ…ごふ…!」
そして流れるようにダガーでナイフを払うと脇腹、目掛けて蹴りを入れられてふらついた男へ間髪入れずに真正面から顔面に拳を埋め込む。
もう、片方にもかけていたダガーを取り出すと後ろに倒れそうになっている男の首と心臓へ躊躇なく刃を突き刺す
男2
「ぎゃああぁ──!!」
男は断末魔の叫びをあげて灰になった
ノム
「おら…っ!」
男4
「だっ…」
男5
「おわ…っ」
男6
「……くっ」
ノムが槍を大きく振ると三人の男の腹部に傷が出来、追撃するようにノムは素早い動きで二人の首と心臓へ槍を突き入れる
男4
「ぐがぁ─!!」
男5
「あ゛ぁ─!」
二人が灰になるのを見るとノムは一旦引くように身を後退させ、次にはもう一人へ飛び掛かろうとした
リディア
「ノム駄目!」
響くリディアの叫びの次に見えたのは、ノムが飛び掛かろうとした奴とは違う男が彼へ何かを投げ付けてきた為、ノムは慌てて身を反らしてかわす
ノム
「成る程な。弱い奴は弱いなりに何か持たされてるって事か」
地面に落ちたそれは、しゅしゅうと湯気をたてて周りの雑草を溶かしたのを見ながらノムは呟く
リディア
「あと四人…実力的にはそこまでだけど、さっきみたいなのを他にも持ってたら…」
ノム
「少し厄介だな」
だが、考える隙を与えないように四人同時に襲い掛かる