第5章 最強教師とエロ教師
懇切丁寧に隅々まで清められた体がベッドに沈み込む。
快楽の余韻が去った後、覚束ない気だるさに浸たる私は隣から伸びてくる手を追いやる程の余力がなかった。
髪を指先で梳かれ、頬を撫でられ、額にチュッと触れた唇。
思わず目を閉じれば今度は瞼に口付けられる。
くすぐったさと気恥ずかしさから目を開けるや否や視線を外し、その腕から逃れるようにごそごそと動いて先生に背を向けた。
けれどすぐに、後ろから抱きしめてくるこの人。
肩やら項やらへしつこくと続けられるキスは妙な甘ったるい雰囲気を醸した。
リップ音に合わせて小さく肩が揺れ、そんな私の反応を一通り楽しんだ先生は、この体をしっかり腕に抱いたまま唐突にそれを言いだした。
「なあ」
「・・・はい」
「お前、ヤってる時に俺のこと先生って呼ぶのやめろ」
「・・・・・・はい?」
「犯罪くせえ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
くせえも何も。
「・・・事実でしょ。なに言ってんすか今さら」
「いやまあ、なんつーかアレだ。気分だ気分」
「・・・・・・さっさと捕まってしまえよ淫行教師」
九割方本気で呟いた私の暴言に先生は鼻で笑った。
ふざけた大人は今日もブレがない。