第1章 屋上で
高校に入学して三日目。
四月の空は和やかに青い。
ならば行くしかないだろうと、目指した場所は校舎の最上階。
階段を上りがてら、ごそごそとスカートの中を探る。
指先に触れた細い金属を取り出し、屋上へと続く入口を閉ざす、重いドアを眺めた。
悪戯半分に針金で鍵をこじ開ける特技を習得したのは果たしていつの頃だったか。
慣れた動作でドアノブに針金を射し込み、ガチャリと言う感触が指先に伝わりいくらか口角を上げた。
ドアを開く。
目の前には晴天の自由が・・・・・・。
「・・・」
「・・・」
そう・・・思ったんだけど。
無言で見つめ合うは先客の男。
ヤバい・・・
ギクリと私の動きは止まった。